COLUMN

医療承継を考えるための視点

2026/10/22

医院承継を考えるとき、最初に整理したいこと

医院の承継を考え始めたとき、多くの先生が最初に思い浮かべるのは、

「子どもに継がせるのか」
「勤務医の先生に任せるのか」
「第三者へ譲るのか」

といった、“誰に承継するか”という問題ではないでしょうか。

もちろん、後継者を誰にするのかは非常に重要です。

しかし、私たちはその前に整理しておいた方がよいことがあると考えています。

それは、先生自身が、この医院をこれからどうしたいのかということです。

 

承継には、いくつもの選択肢がある

医院の将来を考える方法は、一つではありません。

医師であるお子さまなどへの親族承継。

現在勤務している医師への院内承継。

第三者の医師や医療法人への承継。

そして、現時点では承継せず、先生自身が経営を続けるという選択肢もあります。

大切なのは、最初からどれか一つに決めてしまうことではありません。

それぞれの選択肢を知ったうえで、ご自身やご家族、医院の状況に合った方法を考えることだと思います。

 

「誰に継ぐか」だけでは決められない

医院の承継には、経営だけでなく、さまざまなものが関わっています。

先生ご自身の今後の人生。

ご家族の考え。

長年一緒に働いてきた職員。

地域の患者さま。

医院の財務状況。

不動産や医療機器。

医療法人であれば、出資持分などについて整理が必要になる場合もあります。

そのため、

「息子が医師だから、息子に継がせよう」

「後継者がいないから、M&Aをしよう」

と、一つの事情だけで結論を出してしまうと、後になって別の問題が出てくることがあります。

承継とは、単に経営者の名前を変えることではありません。

先生が築いてきた医院を、どのような形で次につないでいくのかを考えることだと私たちは捉えています。

 

最初に考えたいのは、「何を残したいのか」

承継方法を考える前に、一度こんなことを整理してみてください。

「自分は、何歳くらいまで診療を続けたいのか」

「承継した後も、医師として医院に関わりたいのか」

「家族は医院についてどう考えているのか」

「職員には、できる限り働き続けてもらいたいのか」

「医院の名前や診療方針を残したいのか」

「患者さまにとって、どのような形が一番良いのか」

「経済的には、どのくらいの条件が必要なのか」

すぐに答えが出なくても構いません。

むしろ、最初からすべて決まっている先生の方が少ないと思います。

一つずつ整理していくことで、自分にとって大切なものの優先順位が少しずつ見えてきます。

 

承継を考えることは、今すぐ医院を手放すことではない

「承継について相談すると、売却を勧められるのではないか」

そう感じる先生もいらっしゃるかもしれません。

しかし、承継を考えることと、すぐに医院を譲ることはまったく別の話です。

現在の状況を整理した結果、

「まだ5年は自分で続けよう」

という結論になることもあります。

「子どもが戻ってくる可能性を、もう少し待とう」

という判断もあるでしょう。

一方で、早い段階から第三者承継について情報を集めておくことが、将来の選択肢を増やすこともあります。

重要なのは、選択肢がなくなってから考え始めるのではなく、選択肢があるうちに考えておくことです。

 

 

答えを決める前に、まず整理する

親族承継、院内承継、第三者承継、継続経営。

どれが正解ということではありません。

医院によって事情は異なりますし、先生自身が大切にしたいものも異なります。

だからこそMATCH POINTでは、最初からM&Aありきでお話をするのではなく、まず先生が置かれている状況と、これからどうしていきたいのかを一緒に整理することを大切にしています。

承継についてまだ具体的に決めていない段階でも構いません。

「いつかは考えなければいけないけれど、何から考えればいいのか分からない」

その段階から整理を始めることが、医院承継の最初の一歩だと私たちは考えています。

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